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「アキ、今日の放課後は空いてるな?」
昼休み。
夜神の希望で半ば強制的に一緒に昼飯を食べていると、夜神がいきなりそんなことを聞いてきた。
オレは家から持ってきた弁当、夜神は購買で買ってきたらしき焼きそばパンを食べている。
ちなみにここは、オレの教室がある校舎とは別の校舎にある空き教室。
夜神曰く、普段は屋上で過ごすけど今日は暑いから教室とのこと。
まぁこの学校、冷暖房完備だもんな。
閑話休題。
放課後空いてるかって?
ホントは真琴と帰りたいけど、コイツが許してくれねーだろうな……
今日だって一緒に昼休みを過ごしたかったのに、夜神が突然オレのいる教室に現れ、オレは呆気なく連れ去られてしまった。
「逆に聞くけど、何かあるのか?」
じっと夜神を見上げて(非常に癪だが夜神の方が身長が高いのだ)訊ねると、夜神はコクンと頷いた。
「ちょっと遠出する。」
「…遠出?どこまで?」
「どっかテキトーに。」
「はぁ?」
テキトーに…って、なんだソリャ!
そんな得体の知れない旅、行けるワケねーだろ!
「せめて目的地くらい決めろよ……オレはおまえと違うんだから!」
「目的ならある。」
「え?」
「デート。」
「はぇ!?」
デッ…デートぉ!?
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