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事故だと言いたいところだけど、故意にされたのは明らか。
昨日の今日だし、しかもファーストキスということもあって、今でも鮮明に思い出せる。
間近にある夜神の整った顔、少し熱を持った柔らかい─────
「っ……うわぁぁぁぁ…!」
いきなり叫びだしたオレに、真琴はギョッとした顔になった。
「な、なんだよ急に!」
「あれは!あれはキスじゃない!キスだけど!キスじゃない!!」
「はぁ?おい、何言ってんだよ?キスが何だよ!?」
前触れもなく錯乱しだしたオレと、慌ててオレを宥めようとする真琴。
そんな時だった。
オレの鞄の中の携帯電話が鳴ったのは。
~♪~♪
「あ──おい、暁。携帯鳴ってるぞ。」
「え?」
誰だこんな朝から……と思いながら受信フォルダを開き、表示された相手の名前に心臓が大きく脈打った。
差出人は、まさに今、オレを悩ませていた奴だったから。
『夜神 諒』
まさにジャストタイミング、と言うべきか。
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