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「遅ェ。」
勇気を振り絞って屋上の扉を開けた途端、コレだ。
「遅いって……これでも授業終わってすぐ教室出たんだけど。」
腕組みしてムスッとした顔をしたヤンキーの理不尽な物言いにムッとして、オレも負けじと言い返した。
───でも正直、そんなことは既にどうでもよくなっていた。
何故なら。
「ねーリョー。この子がリョーの言ってた子?」
「コラ海翔(カイト)、指差すな。」
そこにいたのは夜神だけではなく。
「ふーん。なんか普通の奴だな。」
「もうちょっと美人かと思った。」
派手な格好をした、これまたヤンキーが数人、夜神の脇を固めていたのだから。
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