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電話を切り上げて(というか切られた)から数十分。 再びスマホが震えた。 「もしもし?」 『アキ。カーテン開けろ。』 カーテン? まさかもう着いたのか? ドキドキしながらカーテンを開けると、 「あっ…」 恋人の姿が視界に飛び込んできた。 家の小さな門の前で、スマホを耳に当てながらこちらを見上げている。 肩を上下させているから、多分走ってきたのだろう。 「ちょっと待ってて。」 そう言って電話を切り、急いで、けれど極力足音を立てないよう慎重に玄関へと向かう。 ───本当に、夜神がそこにいた。 「夜神…」 「よう。昨日ぶり。」
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