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「…だから何にもねぇよ。」
こちらを見ないまま、夜神が言う。
あくまではぐらかし続ける気か。
そう素直に話してくれないだろうとわかってはいたけれど。
「オレがそんな答えで納得すると思うか?」
「………」
「オレが訊いてくるってわかってて、ここに来たんだろ?」
頑なに口を閉ざす夜神を問い詰める。
オレを一日中心配させたんだ。
説明してもらわなきゃこっちの気がすまない。
「もしかして、昨日お前の親父さんが来たことが絡んでる?」
オレが投げた疑問が、どうやら図星だったのか。
夜神が一瞬目を瞠ったのを、オレは見逃さなかった。
「…アキには関係ねぇよ。」
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