8152人が本棚に入れています
本棚に追加
「…アキ｡」
ポンと頭に何かが乗せられる感触。
撫でられている。
「泣くな｡」
「泣いて、ない…」
嘘ですけど。
目から思いっきり溢れちゃってますけど。
「少なくとも、俺がアキから離れてくとかねぇから｡」
「………」
「言ったろ。せっかく恋人になれたんだ。そう簡単に手放す程、半端な気持ちじゃねぇ｡」
…本当に。
なんでコイツの言葉のひとつやふたつで、こんなに安心するんだ。
「…わかった。話すよ｡」
「！」
「さっきはひでぇこと言って悪かった。アンタが興味本意で根掘り葉掘り訊くような奴じゃねぇことはわかってる｡」
優しい声に顔を上げると、夜神の指がオレの頬に触れた。
親指でそっと涙を拭われる。
…やばいなあ。
そういう触れ方、反則だろ。
これ以上好きにさせるな。
最初のコメントを投稿しよう！