選択

31/57
前へ
/805ページ
次へ
広島か… 隣に座る夜神を一瞥する。 ぼんやりと地面を見つめる横顔からは、何を考えているかわからない。 「───それで、お前は何て答えたんだ?」 …本当は、訊かなくてもわかってる。 「まだ何も言ってねぇよ。」 やっぱり。 行くか行かないか答えていれば、今日夜神が学校を休むことはなかったと思う。 だって。 「まぁ、保留にしたところで、返事は決まってるけどな。」 「…嘘だ。」 「あ?」 「本当は、迷ってるんだろ?」 付いて行くか、行かないか。 夜神は迷ってるんだ。 「1人で冷静に考えたいから、今日休んだんだろ。」
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8152人が本棚に入れています
本棚に追加