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「…アキは。」
夜神が発した声は重苦しいモノだった。
「俺が家族と一緒に広島に行ってもいいのか?」
「………」
すぐには答えられなかった。
行くべきかどうかは、オレが決めることじゃない。
答えないオレを不審に思ったのか、夜神がオレの肩を掴んで半ば無理矢理夜神の方へ向かせた。
「アキ…どうなんだよ。」
オレをまっすぐに見据える双眸は、何かを懇願するように揺れている。
どうなんだよ、なんて。
そんなこと訊かれても困る。
「それは、オレが決めることじゃない。」
「アキ…」
「ただ、オレはお前が後悔しない選択をしてほしい。」
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