8145人が本棚に入れています
本棚に追加
/805ページ
「や───夜神!」
オレも慌てて立ち上がり、夜神を追いかける。
「夜神、待てって。」
呼び止めても、夜神は振り向きもせずスタスタと階段を降りていく。
その背中が、オレを拒絶しているようで、ツキリと胸が痛んだ。
───取り返しのつかないことをしてしまったんだろうか。
そんな不安が胸を過る。
「…会って、何話してたんだ。」
「え?」
「親父と。」
不意に夜神が立ち止まり、そう訊ねてきた。
こちらを振り向かないまま。
「…ごめん。」
「俺は謝罪してほしいんじゃねぇ。アキと親父が何話してたか聞きてぇだけだ。」
「別に、そんなに長く話をしてたワケじゃない。ただ、お前の親父さんが、お前のことどう思ってるか…それを聞いてた。」
「………」
最初のコメントを投稿しよう!