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真っ白なベールをくぐり抜けると、そこには大自然が広がっていた。
「「うわぁ…」」
花蘭と風理が呟く。
「太一と土屋さん、どこだろう?」
珠樹が辺りを見回すと、少し歩いたところに2人が立っていた。
「あら、遅かったのね」
「俺ら、結構待ったぞ?」
待ちくたびれた、という2人に他の3人はん?という顔をする。
「僕たちも、すぐあとを追ったよ」
珠樹がいう。
「まっ、いーや。それより、あそこに町が見えるんだ。行ってみよーぜ!」
太一が、遠くを指差しながら言った。
「そうだね。ここが何処かも知りたいし」
珠樹が賛成する。と、世奈が、
「…ねぇ」
と声をあげた。
「なんだよ?」
「……ちょっと、遠すぎないかしら。何か手段でもあるの?」
「決まってんだろ、」
太一が胸を張る。
「歩く!ヘへっ」
そのまま、はぁ…とため息を付く世奈を無視して、
「行こうぜー」
と言った。
ここで風理が、世奈ちゃん、確かに遠いよこれ…と言ったのは内緒である。
☆
しばらく歩くと、そこは木々に囲まれた暗い森であった。
「ここを、行くの?」
花蘭があまり行きたくなさそうに言った。
「ここしかねーもん」
太一は言い、奥へと進んでいく。他の4人も、それに付いて森へ入っていった。
……ガサッ
風理が、辺りを見回す。
「?どしたの、風理」
世奈が風理に声を掛ける。
「えっと、その、なんかガサッていった…から」
「なにか、居るっていうの?」
「わ、わかんない……」
すると太一は、
「いるわけねーよ、こんな場所に」
ガサガサッ
「………」
「………」
「………いるな、確かに」
謎の音は、段々大きくなってくる。
ガサガサッ
ガサッ、ガサガサ……
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