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どうやら世奈は、ファンタジー好きの様だ。
「皆の持っている石の、色と関わりがあるんじゃないかしら」
と、ここで、くぼみを見ていた珠樹が言う。
「ねぇ皆。穴に、何か書いてある!」
集まって見てみると、確かに何か書いてある。風化しているのか、少し読み取りづらい。左から、「火」「水」「土」「風」「花」と書いてあるようだ。
太一が、
「俺の、火じゃねーかな。赤いし」
といって、石をくぼみへ。
そして、珠樹が「水」へ、世奈が「土」へ、風理と花蘭がおそるおそる「風」と「花」に石を入れると、なんと石の壁は左右に動き始めた。
「うわ……」
ドアが開いたその先は、真っ白な世界だった。
「楽しそーだな、俺、行ってみるよ。皆も、早くこいよー!」
太一が飛び込む。
「全く…」
呆れたような顔で続いたのは、世奈。
「2人は、どうする?」
珠樹が尋ねる。
「行…く。行くっ!」
風理が飛び込んでいく。
「行こっか」
珠樹が花蘭の手を握り、進んでいく。ぴょんっと飛んで、光の中へ!
☆
「いたいた。やっと、見つけた」
その後ろには、木に隠れて5人が入って行った様子を眺めていた者がいた。
「急がなくっちゃ、ね……♪」
【魔法使いと異世界】へ続く
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