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「ダメーーー!!」
可愛らしい、女の子の声が響く。
この声は……
「何で……?アリスさん……」
「フェリオちゃんをこれ以上傷つけないで!!」
フェリオの前に立ったのは、アリスだった。
両手を広げてフェリオを庇うように立っている。
声を発することで恐怖で震える手足を抑え込み、シスターをキッと睨む。
「てめぇは……あぁ……あの時のお嬢ちゃんじゃない……なぁに?
私の邪魔をするって言うの?」
シスター痛みに奥歯を噛み締めながら怒りを鎮め、冷静を取り繕う。
「するよ!だって、フェリオちゃんは大切な友達だから!」
アリスの決心は揺るがない。
その態度が、言葉が、余計にシスターを苛立たせる。
「はぁ?何その臭い台詞っ。
聞いていて無性に腹が立つわ。
大人しく黙ってくれない?そうしないと殺すわよ?」
シスターは思う。
なぜこんなにも目の前にいる少女に苛つくのか。
分からない。
けれど、無性にこの顔を苦痛と涙と恐怖でぐちゃぐちゃにかき混ぜたくなる。
「黙らない!何度でも言うよ!フェリオちゃんは私の友達だ!だから、殺させない!」
その真っ直ぐな言葉が気にくわない。
その真っ直ぐな目が気にくわない。
「黙れって言ってるのが聞こえねぇのかよ!」
攻撃の矛先がフェリオからアリスへと代わり、シスターは放つのを忘れていた弾で再度放とうとする。
が。
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