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僕は篠崎さんを直視出来なくて、思わず顔を反らしてしまった。
大きく息を吸って呼吸を整えていると、ひょこっと篠崎さんに顔を覗き込まれる。
「鼻血、出てる」
「す、すいません!!」
今の時点でこんななのに、これから付き合っていけるのかな…?
鼻にティッシュを詰めながら、ため息をついてしまう。
篠崎さんと目があっただけで、鼻血を出してしまうようなかっこ悪い僕。
そんな僕が、本当に篠崎さんの彼氏になってもいいんだろうか。
もしかしたら誰かが仕組んだドッキリとかなのかもしれない。
じゃなきゃ、あの篠崎さんと付き合えるなんて考えられない。
でも。
ドッキリでもいいから、少しでも長く篠崎さんの近くにいたいな。
なんだかキツネにつままれた気分で、僕たちは図書室を後にした。
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