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「小太郎、いつまで寝てるの!!」
母さんの叫び声に驚いて目を覚ます。
部屋の前に仁王立ちする母さんは、僕の部屋の時計を指差してさらに声を荒げた。
「大体、今何時だと思ってるの!?」
視力のよくない僕は、ベッドのわきに置いてたはずの眼鏡を探す。
ぼんやりとした視界がクリアになった瞬間、僕は布団から跳ね起きた。
「7時…40分!?」
篠崎さんとの待ち合わせまで、残り5分しかないじゃないか!!
家からあの角まで、どれだけ急いでも10分はかかる。
僕は慌てて制服に着替えると、バックを背負って急いで部屋を出た。
「ちょっと朝ごはんは?」
「ごめん!!今は無理」
驚いた様子の母さんを無視して、階段をかけ降りる。
せっかく作ってくれたのに申し訳ないけれど、今はそれどころじゃない。
「いってきます!!」
靴紐も結ばないまま、僕は家を飛び出した。
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