潔癖症な彼女。

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「…ずっと好きでした」 夕陽が優しく降り注ぐ、放課後の図書室。 全開にした窓から、気持ちがいい春風が舞い込む。 そのたびに揺れるカーテンと、長い髪をなびかせる彼女は、どこか幻想的に見えた。 ここにやってくるのは、図書当番の僕と、1人の女子生徒だけ。 少なくとも僕が図書委員になってから、他の生徒が訪れたことは1度もない。 それもそのはず。 今僕がいるこの場所は、第二図書室と言う名の資料室だ。 .
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