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次の目的地は薫の案である本の売り場である。
みんな雑誌や小説など好きなコーナーに行っている。
僕はというとまあ、その辺を見て回っているといった感じだ。
みんなはどうしているだろうか……。
おや、姫川先輩と山中先輩は漫画コーナーにいるみたいだ。
「あぁ…、やっぱり杏子ちゃんはかわいいなあ~。ま、美雪の方がかわいいけどね!」
「夏紀の方がかわいい…」
「もう!美雪ったら~」
先輩たちは今日も平常運転のだなぁ。
と、今度は雑誌コーナーに咲夜がいるのを発見した。
咲夜が読んでいるのは女の子向けのファッション誌だった。いつも男勝りな性格だからああいうのを読んでいるのは意外だ。
「咲夜もそういうの読むんだね」
「な、なんだよ!あたしがファッション誌なんか読んでたらおかしいのかよ!」
「そんなことないよ。咲夜だって女の子なんだから」
「そうか…。なあ、あたしがこういうかわいい服着たら似合うかな…?」
「うん。似合うと思うよ」
「そ、そっかぁ…。えへへ…」
このときの咲夜の笑顔はとびきりかわいい笑顔だった。
さて、薫は…どうやらもう会計を済ませたみたいだ。
「薫は何買ったの?」
「これだよ」
「…………」
これはあれだ。いつもあの二人を見ているからわかる。いわゆる百合漫画だ。
「へ、へぇー、薫ってそういうの読むんだ」
「何か変かな?」
「そんなことないよ…。趣味は人それぞれだし…」
なんというか…こうも平然とされるとこっちが間違ってるのかと思えてくるね。
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