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店内に入ると
れもんの香りが漂う。
本当にごくある喫茶店だった。
だが一つだけ気になるのが
れもんしか置いていないコト。
何か珍しさを感じた私は
れもん喫茶が気に入っていた。
彼に連れられ椅子に座ると
一言つぶやいた。
「 ちひろちゃんはれもん好き?」
好きって言う人は滅多にいない
に決まってるでしょ。
「 私は結構好きかも」
思ってもいない事を口にした。
彼はなんだか笑っていた。
「 笑わないで下さいー」
頬を膨らませ椅子をクルクル回す。
「 だって顔に書いてある」
私は顔に出やすいんだ。
「 れもんが好きって言う人滅多にいないでしょ?みたいな」
ほぼ当たっていて焦りを感じた。
なんだこいつ。
心の声読めてしまう人か。
「 な 名前は?」
話をそらすかのように聞いた。
「 ひーみつ」
本当に謎な彼。
謎な彼 藤末のぞみ (17)
短髪で髪色はこげちゃ。
何しろ笑顔が可愛い。
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