ふたり

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「明子ちゃん」 「なあに?」 僕は明子ちゃんの小さな身体を抱き寄せ、口づけした 明子ちゃんの身体が一瞬びくりと緊張し、それから力が抜けた 映画のそれのような、激しい口づけではない 僕はしばらく、明子と唇を重ね合わせた 明子ちゃんの小さな唇は、どこか甘い香りがするような気がした 明子ちゃんのシャンプーの香り 暖かな微かな息づかい 僕はそっと唇を離す 明子ちゃんがパチリと目を開く 「えへへ、育男って大胆」 明子ちゃんのいつもの笑顔 「明子ちゃんが相手だからこうなったんだよ」 「いつまでもこのままならいいね」 「いいね」 ゴーっと、山手線の音が響いた
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