顔合わせ② 鈴村奈緒 編

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暫く歩いていた二人。 柚「あ、そうだ!奈緒ちゃん、チョコ食べる?」 柚華がチョコを取り出し、奈緒に見せる。 奈「あ。ありがとう。私、チョコ好きなんだ。」 二人は歩きながらチョコを食べた。 奈「私ね、死んでも嬉しかった事があるんだ。」 柚「ん。なにそれ?」 奈「笑わないでね。あのね、…味覚があること。なんだけど。」 目をキラキラと輝かせ、嬉しそうに話す奈緒に、柚華は 柚「ふふっ。」 軽く笑い、 奈「あ、笑わないでって言ったのに!」 ちょっと傷付いた素振りを見せる奈緒に、 柚「いやぁゴメンね。ボクも奈緒ちゃんみたいに、『味覚がある』事が嬉しかったから。」 そう照れた様に笑いながら言った。 柚「あ、ボクが片付けとくよ。…ん?」 包み紙をポケットに仕舞おうとした時、なにか固いものが指に当たった。 柚「何だろこれ?」 スッと、抜き出した物は… 柚「あ。」 奈「え?どうしたの?」 思わず足を止めた柚華を不思議に思ったのか奈緒が近付いてくる。 柚「ねぇ、奈緒ちゃん。この記憶の欠片って、奈緒ちゃんのじゃない?」 柚華がポケットから取り出したのは、昨日、義春と共にフラグメントから回収した記憶の欠片。 今朝、柚華が着替えたときに持ち出していたのだ。 奈「う~ん。違うみたい。私はまだここに来て日が浅いし、フラグメントにもそんな遭遇してないし…」 柚「ふーん。成る程ねー。って、じゃあさ、フラグメントを一匹倒しに行こうよ!」 奈「へ?ちょ、ちょっと…?」 奈緒の手を引き、歩き出す柚華。 そして。
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