16人が本棚に入れています
本棚に追加
「フィーネ、あなたと話がしたい。
聖奈として、ベスティアとして、今の私はどちらも中途半端な存在でしかない。
だからこそあなたに頼みたいの。
私と協力してあの3人の神を倒して!
これはあなたの母であるイニーツィオの願いでもある。」
「そんな話だろうと思ってました♪
それにしても聖奈さんは性格が変わりましたね♪
今の意見は聖奈さんのですか?
それとも、ベスティアですか?」
フィーネはからかうように言った。
「どちらも私なんだからそんなことどうでもいいでしょ?
それで、返事は?」
「協力してあげないこともありませんよ♪」
フィーネの返事は意外なものだった。
てっきり、拒否されるだろうと考えていたのだ。
ところが、聖奈が安堵したその瞬間。
「ただし、条件があります♪」
と、一言付け足した。
「トドメは私が刺します♪」
それはどちらかの死を意味する条件だった。
「フィーネ、あなたはその条件の意味を分かって言ってるの?」
「もちろんです♪
協力はしますけど、トドメは私が刺します♪
そして聖奈さん、あなたはあの3人の神を倒した後は用済みです♪
お母様の隣にいるのは私1人で十分ですからね♪
たとえ聖奈さんが私を殺す事を望んでいなくても、お母様以外に自然の女神は1人で十分です♪
私たちはいずれは殺し合わなければならない運命なんですよ♪」
そう言っているフィーネはどこか楽しそうだ。
殺す事を楽しいと感じる狂った半神。
フィーネの強さはあの3人を確実に倒す為には必要だ。
協力はしてくれる。
問題はあの3人を倒した後。
私がフィーネに負ける?
そんな事は心配してない。
じゃあ、私は何を心配している?
最初のコメントを投稿しよう!