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「なんて楽しいんでしょうか♪」
フィーネはパフェを頬張りながらそう言った。
フィーネの服装はいつの間にか純白のワンピースになっている。
純白の髪に純白のワンピース、ある意味目立つが巫女服よりはマシといったところだ。
「次は何をしましょうか♪」
フィーネが店を出ると、背後から視線を感じた。
「あら、私を探しに来たんですかね♪」
振り向くと、約200m程先からこちらを見ている影がある。
私はただ、普通の女の子みたいに楽しみたいだけなのに……
「邪魔です♪」
周りに人はいなかった為、フィーネの手に堂々と三日月が現れた。
弓は久々に使いますね♪
フィーネ愛用の弓、三日月は狙った獲物を逃さない魔法の弓。
いつもフィーネが使っている愛用の剣、十六夜は戦闘能力を上げる魔法の剣。
どちらもフィーネにしか扱えず、他の人が使えばただの武器になる。
普段の戦闘では、十六夜の方が優れているため、滅多に三日月は使わない。
ちなみに、他の神々の武器も大抵は戦闘能力を上げる魔法の剣で、2つ以上の武器を生まれながらに持つ神はおらず、フィーネとフィナーレは半神としてだけではなく、神々全体として初めてのケースだ。
「貫きなさい♪」
フィーネの掛け声と共に矢が放たれる。
一方、影の主は……
「やべ、気づかれた!
ビアンカ、ネロ、逃げろ!
あいつの弓は200m以上飛ぶから厄介なんだよな……
もはや、弓って言うより銃だろ、スナイパーだろ……」
そう言って、望月を構えてタイミング良く矢を切り捨てる。
「てか、あれは絶対に記憶喪失なわけないな……」
フィナーレが溜息をつくと、背後からカチャっとまるで銃を装填したかのような音が聞こえた。
「お兄様♪」
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