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イニーツィオは自然を守りたいだけ。
その為に自らをサポートしてくれる新しい神の存在が必要。
私は再びこの地にモンスターたちの楽園を作りたい。
私の願いを叶える為にはあの3人の神の力が必要。
確かに2人の利害は一致している。
私とフィーネが力を合わせればあの3人の神を倒すことが出来るかもしれない。
フィーネが私にトドメをさす事を譲ってくれたとしても、イニーツィオは私とフィーネの2人が自然の女神の能力を持っている事実を許さない。
そうなった場合、イニーツィオが殺すことが出来るのはフィーネの方。
「私とフィーネを互角の強さにして、どちらの味方でも敵でもない。
イニーツィオ、あなたの真意が分からない。」
聖奈は思いを巡らせた後ようやくそう言った。
「私を補佐するのは1人で良いと言いましたが、もし仮にあの3人のトドメを全てあなたが刺したのなら、その時は2人でも構いませんよ。
フィーネは半神のままで私には逆らえませんから、反逆の心配は無いでしょう。
しかし、もし1人でもフィーネがトドメを刺したのなら、フィーネは半神から神になり、私に逆らうことが出来るようになります。
その時はフィーネかあなたのどちらか1人だけが第2の自然の女神になってもらいますよ。
不安因子は1人で十分ですから。」
「相変わらず用心深いね。」
「そうそう、あなたが私と会ったことはフィーネには悟られないようにしてくださいね。
もちろん、あの子にあげたワンピースや新しい武器も知らないフリでお願いします。」
「別に良いけど、どうして?」
「私の都合ですよ。
この戦いが面白くて楽しいものになるように。」
「そう言えば、イニーツィオもフィーネと同じ快楽主義者だったっけ?」
「フィーネが私に似ただけの事ですよ。」
そう言って、イニーツィオは風となって聖奈の目の前から消え去った。
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