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「フィーネ様フィーネ様!!
久しぶりの修行ですかぁ?
フィーネ様との修行がいいですぅ!」
リヤンがいつも通り駄々をこねる。
「お兄様に勝てたら、相手をしてあげても構いませんよ♪」
「やれやれ、俺は妹に甘いのか?」
フィナーレは再び新月を構え、矢を射る。
ところが。
「ていっ!!」
妙な掛け声と共にリヤンの素手が矢を捕らえた。
「フィーネ様と同じ絶対命中の矢だったら、捕まえちゃうのが1番だよね♪」
リヤンは簡単にそう言ったが、もちろん矢を掴むなんて事は普通ならあり得ない。
リヤンは一体何者なんだ?
リヤンは矢をこっちに向けると、まるで槍を投げるかのようにフィナーレに投げてきた。
「危ねぇな。」
フィナーレは素早く望月を出し、矢を真っ二つに切り捨てる。
「おい、フィーネ。
リヤンって奴は人間なんだよな?」
「人間ですよ♪
ちょっと中国で人間のおもちゃにされていたみたいですけど♪」
「つまり?」
「ホムンクルスか、改造人間ってところですかね?
詳しくは知りません♪」
「おいおい、そんな得体の知れない奴と一緒に行動してたのかよ……」
「私だって望んで一緒に行動してるわけじゃありません♪」
「隙ありー!!」
リヤンがフィナーレに蹴りを入れようとしてきた。
動きはフィーネほど早くはないが、俺と互角といったところか?
威力は馬鹿高いな……
フィーネなら素早さと正確さ、器用さでかわし続けて当たらないだろうが、俺はリヤンと同じで攻撃力に頼ってるからな。
「お兄様、油断してるとやられちゃいますよ♪」
フィーネの声が聞こえた時には、リヤンの蹴りが腹に入ろうとしていた。
とっさに望月でガードしたものの、フィナーレの体は10メートルほど吹っ飛ばされた。
「素手で俺をぶっ飛ばせる人間がいるなんてな。」
「お兄様、頑張って下さい♪
別に相手が素手だからって魔法も翼も遠慮なく使って良いんですからね♪
というか、むしろ全力で使って、リヤンをどこかに縛り付けておいて頂けると助かります♪」
そう言っているフィーネの顔はとても笑顔に満ち溢れている。
なんだろう、応援されてるような利用されてるような……
まあ、可愛い妹の頼みなら聞くしかないよな!
バサッ!!
フィナーレは漆黒の翼を出した。
「悪いがリヤン、可愛い妹の為に縛られてくれ!」
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