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(夢ではないわよ。)
「ふっ風雷?!」
聖奈は思わず声を出してしまった。
あわてて口を押さえる。
(気づかなかったの?
私とあなたはパートナーよ。
つまり、私とあなたはつながっているの。
だから、心で会話ができるわ。
いわゆるテレパシーよ。)
それを聞いて、聖奈もとっさに心で会話してみた。
(ねえ、聞こえる?)
(ええ、もちろん。)
2人はこの時初めて心の会話をした。
(それで、思ったんだけど、私のプライバシーはどうなるの?)
(大丈夫。
私に話したいことだけがテレパシーされるわ。)
(よかった。
あのさ……)
コツコツコツコツ………
誰かの足音がきこえた。
ヤバイ!!
聖奈はなぜか急いでベランダに隠れた。
ところが、足音は一度止まり、その後走ってどこかに行くのが分かった。
何か忘れ物でもしたのだろうか?
とりあえず助かったぁ~!
ってどうして隠れる必要があったんだろう?
聖奈が保健室に戻ろうとベランダのドアを開けて入ろうとした時。
「キャー!!」
聖奈は足をすべらせてしまった。
きっと昨日の雪のせいで足もとが凍ってしまったのだろう。
しかも、運の悪いことに、聖奈の後ろの塀は学校の設計的に低くなっていた。
ヤバイ!!
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