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「え?」 「その反応だと、まだ知らないんですね。 いえ、なんでもありません。 気にしないで下さい。」 レンの話は全く関係の無い話に変わっていった。 ここの高校はどんな所かとか。 (聖奈、このレンはおかしいわよ。 姿しゃべり方は確かにレンだけれど、何かおかしいわ。 そもそも次に会う時は本部で会いましょうと言っていたはずなのに、わざわざ会いに来るなんて…… それに、こんな話をするならわざわざ今でなくても、明日学校とか本部でも別に良かったはずよ。 ベスティアの覚醒の事を言うのもおかしいわね。) 風雷の言う通りだ。 確かにおかしい。 聖奈はふと足を止めた。 気づいたレンが振り返って言う。 「どうかしましたか?」 「気を悪くしないでほしいんだけど……」 聖奈は風雷が言っていた事をそのまま話した。 「私と風雷の勘違いなら別にいいんだけど……ごめんね。」 ところが、次の瞬間、レンの口調が変わった。 「謝る事なんてないよ。 さすがは女神に選ばれし4体のモンスター。 俺の変身術を見破られたのは久しぶりだな。」 一人称が俺になってる……レンくんは僕なのに……それにため口…… 「あなたは誰? もしかしてマゴス?」 「俺はマゴスなんかじゃないさ。 あーあ、変身術は完璧だったんだけどな。 ちょっと残念。」 そう言ってる顔は全く残念そうには見えない。 「さて、予定ではもうちょっと先でやろうかなって思ってたけど、別にここでもいっか。」 聖奈は周りを見渡した。 いつの間にか誰1人いない森林の中にいる。 レンくんの話をきくのに夢中になっていて気がつかなかった。 なんてバカなの?! いや、レンくんなんかじゃない。 「あなたは一体誰なの? 私をどうするつもり?」 「俺の名はフィナーレ。 自然の女神イニーツィオの息子。 って言っても父は人だから神じゃなくて半神なんだけどな。 さて、お前をどうするかだって? 決まってるじゃないか。 災いの芽は摘んでおかないとね。」 フィナーレはニヤリと笑った。 そして、次の瞬間フィナーレの手には大きな漆黒の両手剣が握られていた。 正確には突然現れた。 そして次の瞬間には聖奈に向かって切りかかって来た。 殺される!!
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