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「えっ!」
困惑する聖奈にフィナーレは言った。
「お前を殺すのは辞めた。
少なくとも、お前がベスティアに覚醒するまでは殺さない。」
フィナーレはゆっくりと立ち上がった。
木につかまって立ち上がると、翼を広げてゆっくりと動かし始めた。
「飛ぶの?
飛べる?」
「あぁ、まだ翼だけで飛ぶのは難しいが、風も使えば問題無い。」
「じゃあ、最後に一つだけ教えて。
傷を治せるんなら、どうして自分を治さなかったの?」
「これは自分では治すことは出来ない。
ただそれだけだ。」
フィナーレの翼の羽ばたきが早くなっていく。
そして。
バサッ!!
フィナーレは地面を強く蹴り上げて空高く舞い上がった。
ふと地面を見て見ると、そこには『ありがとう』の文字が彫られていた。
やっぱり悪い人なんかじゃない。
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