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「で、ここはどこなんだろう……」 聖奈は1人森林の中をさまよっていた。 フィナーレと別れてから約20分。 あちこち歩き回っているが出口は見当たらない。 こうなったら空を飛んでみようかな…… そんな事を思っていると、遠くから水音が聞こえた。 「川?」 取り敢えず、行くあても無いので水音のする方へ歩いていく事にした。 しばらくすると、幅がだいたい2~3mくらいの川が見えてきた。 「よし! このまま川下に行けば街に出られる!」 (良かったわね。 一時はどうなるかと思ったけれど) (うん。 これで家に帰れるよ。) ところが、川沿いを歩いているうちにバシャバシャとまるで巨大な鳥が水浴びでもしているかのような音が聞こえた。 (こんなに大きな鳥っていると思う?) (怪しいわね。 一応隠れながら行った方がいいわ) 聖奈は風雷の言う通りにした。 近づくにつれ、音の正体が見えてきた。 夜なのでまだはっきりとは見えないが、人のように見える。 しかも、翼の生えた人。 「フィナーレ?」 聖奈はそう思ったが、すぐに髪の色が違う事に気づいた。 さっきまでのフィナーレはレンの姿をしていた。 つまり、髪の色は聖奈と同じ茶色のはず。 「そこにいるのは誰だ!!」 気づかれてしまった。 しかも、相手は既に弓を構えている。 正確に言えば、漆黒の弓を作り出した。 それを見て、聖奈は確信した。 「フィナーレでしょ? 私だよ、聖奈。」 「お前がなぜここにいるんだ?」 やっぱりフィナーレだった。
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