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フィナーレは弓を消し、川から上がった。 すると、さっきまで水を浴びていたのが嘘のように一瞬で体が乾いた。 血も綺麗に洗い流されている。 痛みも、もう無いようだ。 「私は帰り道が分からなかったから川をたどっていただけだよ。 ねぇ、その姿は本当のフィナーレの姿なの?」 「そうだけど? 別にどうでもいいだろ、そんな事。」 「かっこいいなって思っただけ。」 「そう言ってくれる人も久しぶりだ……………………。 いや、何でも無い。 それより、帰りたければ飛べばいいじゃないか。 どうして歩いてんだよ。 時間かかるぞ! 言っとくけどな、お前が今ここにいるって事は20分も街とは反対方向に歩いてたって事だぞ?! どんだけ方向音痴なんだよ! でもまぁ、確かにこの川をたどれば帰れるけどな。」 「方向音痴で悪かったね!!」 でも、これで家に帰れる事が分かったし、良かった! そう安心した時、川下の方から声が聞こえた。 「聖奈さーん!」 まだ声はかなり遠いが、レンの声に間違い無い。 「良かったな、探しに来てくれたみたいだ。 俺はめんどくさいのは嫌いだから、じゃあな。」 フィナーレはさっきとは違って1回羽ばたいた瞬間。 あっという間に飛び去った。 バサッ!! 闇夜の空を飛ぶその姿はとてもカッコ良かった。
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