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10分後。 聖奈はフィナーレに言われた通りに空を飛び、無事にレンと会う事が出来た。 ところが…… 「えっと、レンくん? そちらの方は誰?」 レンの隣には女の子がいた。 年は聖奈と同じくらいに見えるが、何と無く大人っぽい感じがする。 ロングストレートの金髪に水色の瞳。 「私はセラ・セイルズ。 マゴスよ、よろしく。」 しゃべり方も何と無く大人っぽいような…… 「そうそう、私のパートナーはシルフとミーシャ。 シルフはそのまんま風の精のシルフ。ミーシャは炎の猫又。 だから私は風と炎使い。 2体とも、今は本部で待機してるから、会いたかったらいつでも会わせてあげる。 私は先に本部に戻るから、レンと何があったのか話しておいで。」 そう言うと、セラは空を飛んで行ってしまった。 「さて、セラ様の言う通りです。 今まで何があったんですか?」 さっそく、レンが切り出して来た。 「えっと……」 隠す理由も無いので、聖奈はあった事をそのまま話す事にした。 「そんな事が……」 レンは考え込むように言った。 「半神ですか…………。 しかも、自然の女神イニーツィオの息子。 もし襲ってきたのがイニーツィオの息子ではなく娘だったら、間違いなく最初の一発目で、それこそ一瞬で殺されてましたよ。 実は、こっちの世界では有名な話なんですが、自然の女神イニーツィオは現在の最高神で、この地球上にいるもの全て、いえ、数えきれない程いる神々の中の頂点に立つ女神なんです。 そして、イニーツィオには人との間に作った子供が2人います。 それが『白のフィーネ』と『黒のフィナーレ』なんです。 半神という存在は珍しくないんですが、普通の半神は神の能力を持ちません。 しかも、多くの場合、自らが半神である事を知らずに普通の人として生きます。 ところが、この2人は違います。 イニーツィオが自らの仕事を手伝ってもらうために作り、自然の女神としての能力を受け継いでいます。 特に、妹のフィーネは兄のフィナーレの何倍も能力が高いという噂です。 それにしても、フィナーレが敵なのかどうかはっきりさせないといけませんね。 母のイニーツィオも関係しているのか気になりますし……」 レンは1人で考え込む。
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