マゴスの本部

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「俺の名はレオン・シェイド。 相棒は地獄の番犬であるケルベロスのガルフと不死鳥であるフェニックスのファニーだ。 さて、お前は腕が細いからな。 あんまり重い剣だと使いこなせないだろう。 片手剣なんかどうだ?」 片手剣とかなんとか言われても、私は剣なんて使った事ないから良く分からないんだけど…… 武器庫の最も奥に眠っている。 突然そんな考えが頭に浮かんだ。 「武器庫の最も奥には何があるの?」 聖奈は言った。 レオンは一瞬なんの事だろうという顔をしたがすぐに答えてくれた。 「奥には何も無いはずだが、どうかしたのか?」 すると、聖奈はまるで武器庫の奥に惹きつけられるように歩き始めた。 「私の剣は、この奥に眠っているの…………」 私、何言ってるんだろう…… 「え? だからこの奥には何も無くて、ただの壁なんだ。」 聖奈は歩きながら何かを唱え始めた。 聖奈は無意識のうちに唱えていた。 今どうして自分が何かを唱えているのか、どうして知っているのか。 「…………そして、今再び私と共に戦え!!」 その声と同時に奥の壁が崩れ始めた。 それを見ていたレオンは息を飲んだ。 「何だこれは…………」 聖奈とレオンの目の前には美しい漆黒の剣があった。 「私の剣。名は『黒月(こくづき)』」 聖奈は今度ははっきり言った。 「私は500年ほど前までこの剣と共に戦っていたの。」 「え? おまえ、もしかして思い出したのか?」 「まだ完全にとはいかないけど、ある程度には。」 そう言って剣を手にとった。 「でも、やっぱり私は月神 聖奈みたい。 そう、ベスティアの記憶を持った月神 聖奈。 だから、私に戦い方を教えて。」
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