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一発目から激しい剣と剣の音が鳴り響き渡った。
しかし、男のレオンの方が力勝負には有利だった。
「残念だったな。」
「何が?」
「力勝負で俺には勝てない。」
「私を誰だと思っているの?」
私、何言ってるの…………
聖奈はレオンの力をうまく利用してバランスを崩させた。
あっという間にレオンの身体がひっくり返った。
「チェックメイト。」
レオンの首に剣の先を突き付けて聖奈はそう言った。
しかし、そう言った聖奈の瞳はさっきまでの茶色ではなく、銀色になっていた。
「ベスティア?」
レオンは少し驚いた声で言った。
「気づくのが早いね。
瞳の色でも変わっちゃったかな。
髪までは変わらなかったみたいだけど♪」
しかし、次の瞬間には聖奈の瞳の色は元の茶色に戻っていた。
「私は……………………」
聖奈は頭を押さえながら言った。
レオンから剣を下ろす。
「頭が痛い…………」
聖奈はその場に座り込んだ。
「おい!
大丈夫か!!」
慌ててレオンがかけよる。
「うん。
負けたく無いって思ったら急に身体が軽くなって……力が湧いてきて……私らしく無い事言ってた…………。
でも、一つ分かったの。
今までベスティアは私の別人格だと思ってたけど、さっきのベスティアは私だった。
私の意志で身体を動かして、私の意志で話してた。
凄く気持ち悪くて頭が痛くてガンガンする……………………
まるで、私とベスティアが混ざったみたい……」
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