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聖奈はフラフラと立ち上がった。
「ごめんね……まだ練習を始めたばかりなのに、中断してしまって。」
「何言ってるんだ!
まだ顔色が悪いじゃねぇか!
今夜は任務があるんだ。
帰って休んだ方がいい。」
「でも……」
「自分で帰らねぇなら、俺が連れてくぞ!」
「じ、自分で帰ります…….」
このままだと、本当にレオンに無理やり帰宅させられそうだったので、聖奈はレオンに申し訳ないなと思いながらも本部にある自宅へ帰宅した。
時計を見ると、午前10時を指している。
夜までには、まだまだ時間がある。
ふと、指輪を見てみた。
私は一体どうなってしまったんだろう?
ちょっと前まではごく普通の高校生だったのに……
全てはこの指輪から始まって……
私のものとは違う人格が、私の中に確かに存在して……
私のものとは違う記憶が、私の中に確かに存在して……
この体でさえもう、私のものではない……
私はもう……月神 聖奈じゃない…
私はもう……人なんかじゃない。
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