初任務

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避けきれない! 聖奈はそう思った。 しかし…… 次の瞬間、聖奈は目にも留まらぬ速さで緋炎の炎を華麗に避けていた。 「えっ……」 (驚くことはない。 それは私の司る力と関係していること。 反射神経と体力が人とは比べ物にならないほどに高くなっただけ。) 驚く聖奈に緋炎は単調に言った。 だから体が軽くなったように感じたんだ…… (さあ、次は攻撃してくるがいい。 せめて、私に引けを取らないほどには強くなってくれなくては。 時間が無い。 早くすること。) 聖奈は心を決め、緋炎に向かって飛び立った。 今の聖奈にとって飛ぶことはもはや造作もない。 緋炎の頭上に雷を何発も落として行く。 しかし、1度たりともそれが緋炎に当たることはなかった。 「どうして当たらないの……」 (風と雷はかなり使いこなせるようになったと思う。 だが、それだけでは私にダメージを与えることなど出来ない。) そう言って、緋炎はもう一度灼熱の炎を聖奈に放った。 しかも、今度はさっきよりも速くて大きい。 聖奈はとっさに避けた。 つもりだった。 「熱っ!!」 炎は聖奈に直撃した。 全身を焼ける痛みが襲う。 しかし、マゴスの能力で、すぐにそれは消えていった。 (今の炎は瞬間移動くらいでしか避けることは出来ない。 だが、今のあなたは瞬間移動など出来ない。 もう一度同じ技を使う。 別の方法で対処すること。) 緋炎がそう言った次の瞬間には聖奈の目の前に灼熱の炎が迫ってきた。
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