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次の瞬間には聖奈が緋炎に連続攻撃していた。
驚異的な速さで空中戦を繰り広げる。
聖奈も緋炎も素手で戦っていた。
しかし、緋炎の体は全身が鎧のようなもので、聖奈が緋炎に与えられるダメージはほとんど皆無だった。
「相変わらず、硬い鱗ね。
あなたを倒すにはやっぱり黒月じゃないとダメみたい♪」
聖奈がそう言った次の瞬間には手に剣を持っていた。
武器庫で見つけたあの片手剣だ。
聖奈が華麗に舞い、緋炎を容赦無く斬りつけていく。
(さすがはベスティア。
私からあなたに教えることなどない。)
その言葉を聞くと聖奈は動きを止めた。
「久しぶりね、緋炎。
あなたにはお礼を言わないと。
私を容赦無く叩きつけたから覚醒できたわ。
あまり、長くは続かないけれどね。」
その時、風雷の声が入り口から聞こえてきた。
(聖奈、そろそろ任務の時間よ。)
風雷はすぐに緋炎とベスティアに覚醒している聖奈に気づいた。
(緋炎、あなたも封印が解けたようね。
それと、ベスティア、いいえ、聖奈は司令室へ行きなさい。
モンスターは見られたら大変なことになるから、基本的に任務へは行かないのよ。
つまり、あなた1人で行くのよ。
既にセラとレオンが待っているわ。」
風雷の話が終わる頃には、聖奈の瞳は元の茶色に戻っていた。
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