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水龍なんて、街中にいたら大問題になる。
ということは、目立たないところに出没するって事だよね?
聖奈はそう考えると、街の中心から離れるように走り始めた。
ところが、5分も走らないうちにそれは街中にいた。
正しくは、公園の噴水にいた。
聖奈が走って公園の前を通り過ぎようとした時、何気無く公園を見ると、噴水で遊んでいる水龍を見つけた。
「まさかの私が一番最初に見つけちゃった?」
聖奈はすぐにトランシーバーでみんなに知らせようとポケットからトランシーバーを取り出した。
しかし、いつの間にかトランシーバーは水でびしょびしょになっていて、全く使い物にならなかった。
え?
水で濡らした覚えは無いのに……
しかも、ポケットは全く濡れていない。
どういうこと?
聖奈が疑問に思っていると、噴水で遊んでいた水龍がいつの間にかこちらを見ていた。
もしかして、あの水龍の能力?
聖奈をじっと見つめた後、水龍は噴水から離れ、公園から出て行った。
「あっ!
ちょっと待って!!」
トランシーバーが使えない今、せめて水龍を見失わないようにしなければいけない。
聖奈は慌てて水龍を追いかけた。
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