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水龍は時々聖奈を振り返り、聖奈が追いかけて来られる速さで飛んでいた。
まるで、聖奈を誘っているかのようだ。
水龍は街の中心部からどんどん遠ざかって行く。
この方向は湖のある方向?
そんな聖奈の予想は当たった。
水龍を追いかけてたどり着いたのは、街から離れた湖だった。
湖の側には神社が建っている。
追いかけて来たのはいいけど、1人でどうしよう……
水龍は湖の中心に宙に浮くようにして飛んでいる。
その目は聖奈をしっかりと見つめている。
あの水龍、一体なんなんだろう?
まるで私をこの場所まで誘ってるみたいだった……
「ようこそ、『水神の祠』へ♪」
聖奈が考えていると、突然どこからか声が聞こえてきた。
「誰なの?!」
聖奈は驚いて、辺りを見回した。
「こっちですよ♪」
今度は、はっきりと真後ろから聞こえた。
「えっ!」
慌てて振り向くと、そこには緑色のゆるふわの髪に緑色の瞳の巫女が立っていた。
恐ろしい事に、手には片手剣を持っている。
敵?!
「私の気配を感じ取れないなんて、本当にベスティア様の生まれ変わりですか?
私が敵だったらとっくに死んでいるところですよ♪」
謎の巫女はニッコリ笑いながらそう言った。
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