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「あなたは誰?
敵だったらって事は、敵じゃないって事?」
聖奈は冷静に聞いてみることにした。
巫女は楽しそうに聖奈を見ながら言った。
「そんなに硬くならないでください♪
私の名はフィーネ♪
自然の女神イニーツィオの娘です♪
ここまで言えば、裏世界では有名ですから分かりますよね♪」
「フィーネって……」
レンの話を思い出す。
『白のフィーネ』と『黒のフィナーレ』
「白のフィーネ?
フィナーレと同じ半神の……」
「そうですよ♪
どうやら、お兄様とは既に会った事があるみたいですね♪
それでよく生きていられましたね♪」
「もしかして、あなたも私を狙ってるの?!」
聖奈は素早くフィーネから離れた。
いつ襲われてもいいように身構える。
しかし、次の瞬間!
「それで身構えているつもりですか♪」
フィーネの声が後ろから聞こえた。
いつの間に?!
目を離したつもりはなかったのに!
しかも、首の後ろに冷んやりとしたものが触れる。
「チェックメイトです♪」
聖奈は動くことが出来なかった。
再びレンの言葉を思い出す。
『もし襲ってきたのがイニーツィオの息子ではなく娘だったら、間違いなく最初の一発目で、それこそ一瞬で殺されてましたよ。』
「なーんて♪」
フィーネの楽しそうな声が聞こえた。
「冗談ですよ♪
私の任務はあなたを殺すことではありませんから♪」
笑えない冗談だ。
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