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「えっ……」
聖奈は一瞬硬直した。
こんな冗談生まれて初めてなんだけど……
「ベスティア様の生まれ変わりである聖奈さんを、お母様の所へ連れて行くのが私の任務です♪」
そう言ってフィーネは剣を下ろし、そして消した。
「お母様って、イニーツィオの事?
どうして?」
その時、湖の中心に宙に浮くようにして飛んでいた水龍がこっちにやって来た。
フィーネの横に来ると、フィーネになにか話した。
「どうやら聖奈さんの仲間が、聖奈さんのトランシーバーが壊れたことに気づいたようですね♪
水龍探しから、聖奈さん探しに切り替えたようですよ♪
そうそう、この水龍ですが、この子はモンスターではありませんよ?
ただの水を私が龍の姿に変えただけです♪
水はどこにでもありますし、はっきりと見えるものですから、とっても役に立つんです♪
このように聖奈さんをここへ案内したり、水が見たものを私に伝えてくれたり、まるで生きているかのようでしょう?」
そう言って、フィーネはニコッと笑った。
「では、お客さんが来る前にお母様の元へ行きましょうか♪
でないと、10分もしないうちに追っ手が揃ってしまいます。」
「追っ手が揃う?」
「聖奈さんの仲間だけではありませんよ?
私を追いかけてくるのは♪」
一体誰だろうと思いながら、聖奈はフィーネにどう返事をしようかと考えていた。
私をイニーツィオの所へ連れて行って、一体どうするつもりなんだろう……
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