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「イニーツィオは私をどうするつもりなの?」
ここは慎重に行動しないと。
聖奈はそう思った。
「私は、お母様にベスティアの生まれ変わりである聖奈さんを連れてくるように言われただけですから♪」
そう言って、フィーネはニコッと笑う。
つまり、詳しい事は知らないって事?
もしかしたら、何かの罠かもしれない……
フィナーレも最初は私を殺そうとしてたし……
「もしかして、疑ってますか♪」
フィーネが聖奈を覗き込むようにして言った。
「さっきも言いましたけど、もし私が敵だったら聖奈さんはとっくに死んでますから、安心して下さい♪」
「いやいや、それ、安心出来ないから!!」
なんか、フィーネに乗せられてるような気がする……
再び、水龍がフィーネに何か言った。
「おや、思ったよりも到着が早いんですね♪
聖奈さんの仲間は優秀ですね♪」
フィーネがそう言って、聖奈の後ろを見る。
聖奈も一応フィーネに警戒しつつ、後ろを振り向いた。
すると、間もなくレオンとセラが走ってきた。
レンとシフォンは来ていないようだ。
「おい聖奈!
そいつは誰だ!!」
さっそく、レオンが声を張り上げて武器を取り出した。
「おやおや、怖いですね♪
初対面の乙女相手にいきなり武器を取り出すなんて♪」
フィーネは巫女服の袖で口元を隠し、可愛らしく言った。
その表情は絶対に怖がってなどいない。
むしろ、これから起こることを楽しみにしているかのようだ。
「そんなに戦いたいのなら、この私が相手をしてあげましょう♪」
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