イニーツィオからの使者

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木々の中を1人の少女が走り抜けていた。 「やっと縄が解けたのに、フィーネ様は一体どこに行っちゃったんですかぁ?」 あたりをキョロキョロと見回しながら全力疾走で走る。 「あっ! フィーネ様みぃっけ♪ 巫女服が赤くて目立つから探すの簡単♪」 少女は嬉しそうにそう言った。 ところが…… フィーネに向かって剣を振り回している少年に気づくと、表情が一変した。 「フィーネ様に戦いを挑むなんて…… フィーネ様の手を煩わせる訳には行きません!!」 なんと、無謀にもフィーネとレオンの戦いに割って入りに行ってしまった。 「覚悟ぉ!!」 突然頭上から現れた少女にレオンは何事かと思い、慌てて避けた。 「一体なんなんだ! お前、何者なんだ?!」 レオンは少女に剣を向けて言った。 それに対し、フィーネは頭を抱えている。 「ちゃんと縛ってきたはずなのに……」 何やら独り言を言っている。 「私はフィーネ様の1番弟子、リヤン。 フィーネ様に挑むなら、まずは私から!!」 そう言ってリヤンは素手でレオンに突っ込んで行った。
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