イニーツィオからの使者

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ドカッ!! リヤンのキックがセラの腹に食い込んだ。 「うっ!」 セラが一瞬腹を抱えたその隙をリヤンは見逃さなかった。 「隙有りぃ!」 リアンは素早くセラの両手を蹴り、双剣を弾き飛ばした。 そして、間を入れることなく強力な蹴りを一発セラの腹に入れる。 ズドドドドド!! セラの体は木々をなぎ倒しながら吹っ飛んで行く。 「飛んでっちゃったぁ♪」 いやいや、飛んでっちゃったぁじゃない。 普通、どんなに頑張ってもあんなに飛ばせるわけがない。 リヤンは鼻歌を歌いながらルンルンでフィーネの元にやって来た。 「フィーネ様! ちゃんと2人とも倒しましたよぉ♪」 「そうですね♪ 私のお楽しみを2回もぶち壊してくれましたね♪」 フィーネから何やら黒いオーラが漂っている。 「フィ、フィーネ様?」 「代わりに、あなたで遊ばせてもらいますよ♪」 フィーネがそう言った次の瞬間、リヤンはさっきのセラ以上に飛ばされていた。 ただし、木々はちゃんと避けてだ。 「そうそう、なぎ倒した木はちゃんと元通りに直してくださいね♪」 そう言って、フィーネはリヤンの元まで瞬間移動した。 「ほら、私を楽しませてください♪」 そう言って、リヤンを無理やり立たせる。 ここまで、フィーネは1度も武器や能力は使っていない。 連絡や道案内として水龍を使ったくらいだ。 そう、フィーネのこの人並み外れた運動神経は神の能力なのだ。 「フィーネ様……」 「なんですか♪ もっと私を楽しませてください♪ 弟子にして欲しいんでしたよね♪ これが修行だと思って下さい♪」 「わ、分かりましたぁ!」 リヤンは得意の格闘術でフィーネに攻める。 フィーネはそれを先程のレオンの時と同じように、無駄のない動きで華麗に避ける。 当たれば威力はありそうなものの、リヤンの攻撃は全くフィーネに当たらない。 「攻撃力はあっても当たらなければ意味はありませんよ♪」 そう言って、フィーネはリヤンにトドメの蹴りを入れ、湖まで吹っ飛ばした。
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