16人が本棚に入れています
本棚に追加
「今すぐ聖奈さんを解放してください。」
レンは聖奈を監視している白い大きなオオカミをちらりと見て言った。
「そう言って、素直に解放する人なんていませんよ♪
それはあなたも分かってますよね♪」
フィーネは相変わらず楽しそうだ。
「なら、仕方がありません。
僕が相手になります。」
そう言って、レンは銃を取り出した。
片手で持ち、真っ直ぐフィーネに向けて狙いを定める。
ところが……
「面白いですね♪
ただの人間が私に勝てると思ってるんですか?
そんなに聖奈さんが心配なら、あなたも来たらいいじゃないですか♪
お母様は聖奈さん1人だけを連れて来てなんて一言も言ってませんから♪
そっちのフリフリの方は伝言係として残ってもらいましょう♪
いかがですか?」
フィーネからの思わぬ誘いに、レンは一瞬戸惑った。
そして、覚悟を決めたように言った。
「分かりました。
僕があなたについて行きましょう。
シフォンはセラ様とレオン様に事の次第を告げてください。」
レンがフィーネの元へ歩み寄って行く。
「ただの人間だと思って舐めないでくださいよ。
少しでも怪しい動きがあったら、迷いなくこの引き金を引きますから。」
そう言ってレンは再びフィーネに銃を向けた。
「試しに撃ってみたらいかがですか?」
フィーネはニコッと笑ってそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!