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「私は死ねませんから、そんなもので私を撃ったところで無駄ですよ♪」
フィーネは楽しそうにレンのことを見ている。
「そうですね。
僕があなたを殺すことは不可能でしょう。
ですが、死ねなくても痛みを感じますよね?
傷はできますよね?
つまり、このただの銃でもあなたの動きを止めるくらいなら出来るかもしれませんよ?」
「なら、そうしたらいかがですか♪」
フィーネはためらいも無く言った。
「ですが、それはあなたが怪しい動きをした時にしましょう。」
そう言って、レンは銃をしまった。
「それに、どうやらあなたには脅しは効かないようですしね。
噂には聞いていましたが、本当にその笑顔が崩れることは無いようですね。
僕は感情を表に出さない人は嫌いです。」
「別に嫌いで構いませんよ♪
誰かに好きになって欲しいなんて思ってませんから。
では、行きましょうか♪」
そう言ってフィーネはくるっと後ろを向いた。
「ビアンカ、聖奈さんを背中に乗せてあげてください♪
こちらの……」
「守神 レンです。」
「レンさんは私を監視したいみたいなので、歩かせますから♪」
そう言うとフィーネはスタスタと森の方へと歩き始めた。
そしてその瞬間、水龍の姿は弾けて消えてしまった。
「あの、リヤンさんはほっといて良いんでしょうか……」
聖奈がボソッとフィーネにきくと、フィーネは
「あの子は死んでも追いかけて来ますから大丈夫ですよ♪」
と言ってニコッと笑った。
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