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シフォンはポケットからメモを取り出すと、そこに今までの事を書き、気絶しているセラの手に握らせた。
「これで伝言も問題ありません。」
リヤンはようやく木々を元に戻し終え、シフォンの方へ振り返り言った。
「私の足について来れるんならついて来てもいいよ?
でも、フィーネ様に追いつかなきゃいけないから、全速力で走るからね!!」
実のところ、シフォンは走るのが遅い。
ここで諦める訳にはいかない……
「ついて行きます!」
ところが、シフォンが返事をする前にリヤンは走り去っていた。
「あ!
待ってくださいって!」
この後、ドジっ子シフォンが森の中で迷子になり、セラとレオンに回収されるのは6時間後のお話になる。
一方、聖奈とレン、そしてフィーネはと言うと……
「さて、次の来客が来る頃ですね♪」
フィーネはニコッと笑って言った。
「あの、来客って?」
聖奈が尋ねると、フィーネは疑問を疑問で返して来た。
「誰だと思いますか?
当てたら教えますよ♪
まぁ、すぐにわかりますけどね♪」
「つまり、教えてくれないんですね。」
ビアンカの背に揺られながら聖奈はそう呟いた。
「私が誰だか知っておきながら、その態度には感心するものがあるみたいですね。
まだ完全に覚醒してないと思って舐めないで下さいね。
私はもう、聖奈ではありせんから。」
その言葉にレンが反応する。
「聖奈さん?
それはつまり……」
ところが、次の瞬間次なる来客が姿を現し、レンの言葉は遮られてしまった。
3人の前に突然現れたのは……
「あ、フィーネさん久しぶりです。」
「あれ?
今日はリヤンいないの?」
2人組の女の子だった。
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