イニーツィオからの使者

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「私がそう簡単に逃がすと思わないでください。」 きじねこは和ゴスからクナイを指の間にに3本ずつセットした。 すぐにそれを構え、次の瞬間同時に放った。 6本ともフィーネめがけてまっすぐに飛んでいく。 「甘いですね♪」 フィーネは動く気配を見せない。 次の瞬間にはフィーネの目の前に土の壁が作られ、クナイは全てそこに刺さっていた。 「そんなに私と遊びたいんですか? リヤンで我慢していただけないですか?」 土の壁が崩れ、フィーネの姿があらわになる。 「きじねこは殺したくないんですが……」 土の壁が崩れた瞬間、フィーネの目の前にきじねこの姿があった。 「仕事を放置するわけにはいきませんので。」 クナイを持った手がフィーネに届くまであと30cm程というところで、フィーネの手が動いた。 カキーンッ!! きじねこのクナイが全て弾かれた。 そして、きじねこの首に4本の赤い線が…… 振り向くと、フィーネの鋭い爪に血が付いている。 「手加減してあげた事に感謝してくださいね♪ きじねこと菊華はとっても優秀な情報屋ですから、今後も手伝って頂こうと思っているんですよ? 『裏屋』の2人はただの情報屋ではありませんしね♪ さて、私が間違えて殺してしまわないうちに、リヤンと遊んでいてください♪」 フィーネときじねこの戦闘をじっくりと見ていたリヤンが出番だとばかりに走って来た。 ところが…… ドスッ!! 横から何者かに蹴られて吹っ飛ばされた。 すぐに、近くの木に当たり、相手を見る。 「リヤンのバカ! 出会い頭にバズーカは無いでしょ?!」 菊華はボロボロになりながらも、手にはきじねこと同じく、クナイを3本ずつ持って構えている。 今にもリヤンにトドメを刺しそうだ。 「フィーネ様ぁ!! 菊華の相手をしてからでも良いですかぁ?」 どうやら、そう簡単には逃がしてくれなさそうだ。
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