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「やれやれ、やっぱりフィーネには見つかったか。」
そう言って現れたのは、2匹のオオカミだった。
1匹はビアンカと同じくらい大きく、もう一匹は普通のオオカミと同じサイズだ。
小さい方のオオカミが次の瞬間姿を変え、フィナーレの姿となった。
「久しぶりだな。
最初の任務以来か?
まぁ、どうでもいいが、聖奈をイニーツィオの所へつれて行かせる訳にはいかない。
ベスティアをイニーツィオの所へ連れて行く事は神々の戦争への引き金になりかねない。」
「久しぶりに会って、何を言うのかと思えば、お兄様は何を知ったのですか?」
「俺は今、海神の元にいる。
表向きは従っているが、実際にはイニーツィオを守るために動いている。
あいつは、イニーツィオを殺して、自然の神になろうとしている。」
フィーネはニコッと笑って言った。
「お兄様♪
この私がその事を知らないと思いますか?
お母様が知らないと思いますか?
全て知っていますよ♪
それなのに、どうして野放しにしているのか、お兄様に分かりますか?
答えは自分で見つけてくださいね♪」
最後の言葉と同時に、フィーネの手に十六夜が現れた。
「ビアンカは聖奈さんをお母様の元へお願いします♪」
フィーネはビアンカに指示し、フィナーレに剣を向けた。
「ネロ。
ビアンカを頼む。
絶対に逃がすな。」
フィナーレの指示と同時にネロはビアンカの行く先を塞いだ。
聖奈を乗せているため、ビアンカは動きにくい。
フィーネとフィナーレ、ビアンカとネロ。
そして、聖奈をめぐって二組の戦いが始まった。
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