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「聖奈さん。
すみませんが、今だけビアンカから降りてください♪」
フィーネにそう言われ、聖奈はさっとビアンカから降りて、レンの所へ行った。
「そうそう♪
もし逃げたら、私とお兄様に追いかけられますよ♪
ですから、逃げないことをオススメします♪」
「最初から逃げる気なんてないよ。
それに、イニーツィオと話がしたい。」
そう言った聖奈は雰囲気が明らかに違った。
「さて、お兄様♪
せっかくの機会ですから、楽しみましょうね♪」
フィーネの手には片手剣の十六夜。
フィナーレの手には両手剣の望月が握られている。
そして、ビアンカとネロはお互い睨みを利かせている。
今にも戦いが始まろうとしたその時!!
「待ちなさい。」
その声は聖奈から発せられたものだった。
「フィーネ、フィナーレ。
あなたたちの勝負はお預けです。
私はイニーツィオの元へ行きます。
フィーネは付いてきなさい。
フィナーレ、邪魔をするのならこの私が相手になります。」
今までの聖奈とは思えない程口調が違う……
フィーネとフィナーレがそう思ったその時。
「待たせましたね。
ベスティア……」
新たなる声の主。
それは……
「お母様♪」
「イニーツィオ……」
「フィーネ、私たちの話が済むまでフィナーレと遊んでいてくださいね。」
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