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変身姿なら昔も私を殺そうとすることは出来ましたけど……
本来の姿に戻った私を見ても、殺す覚悟が出来たのですね♪
「そうこなくては♪」
フィーネは楽しそうな声を出して、フィナーレの剣をさばいていく。
やがて2人は飛び上がり、激しい空中戦が始まった。
(さて、主達は戦闘を始めてしまったようだ。)
ネロがビアンカに言う。
(無駄な争いは好まない。
戦いの決着は主に任せ、我々は主の戦いを見守ろうではないか。)
(私もネロと同じ意見。
無駄な争いは好まない。)
両者は顔を見合わせ、そして2頭ともフィーネとフィナーレを見上げた。
((我が主にご武運を。))
これが半神同士の戦い……
レンは空を見上げて思った。
自分はなんて非力な人間なんだ……
聖奈様はイニーツィオと共に行ってしまったし、フィーネはフィナーレと戦闘を始めてしまった。
そして、僕に出来ることなんて何もない……
聖奈様が自分でイニーツィオと共に行くと決めた今、味方するべきはフィーネの方だろうか?
いや、例えそうだとしても、僕が戦闘に入っていったところで足手纏いにしかならない。
いくら人間の中では強くても、所詮か弱い人間であることを思い知らされる……
レンは銃を握りしめ、2人の戦いをただ見ることしかできなかった。
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