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「どうしたフィーネ。
お得意の魔法は使わないのか?」
フィーネが一切魔法を使わず、ただ剣での攻撃のみにしている事にフィナーレは疑問に思った。
フィーネはほんの一瞬表情を変えたように見えたが、すぐにニコッと笑って言った。
「お兄様にはこの剣で十分です♪」
「相変わらず、余裕だな。」
いや、いつものフィーネじゃない……
いくらなんでも、1度も魔法を使わないなんて、フィーネらしくない。
絶対に魔法が使えない訳がある。
「お兄様は私が魔法を使わなくても私に勝てないんですか♪」
フィナーレの考えとは裏腹に、フィーネはニコッと笑ってそう言った。
「では、もうそろそろ死んでください♪」
フィーネがフィナーレに向かって手をかざし、今にも何らかの魔法が放たれようとした次の瞬間!!
「ゲホッ!!」
突然フィーネが咳き込んだ。
よく見れば吐血している。
フィナーレが何が起きたんだと思った次の瞬間、フィーネを支えていた風の力と翼の力が失われたかのように重力に従って落下し始めた。
ドサッ!!
フィーネの体が地面に落ちた。
ピクリとも動かない。
突然の出来事についさっきまで殺しあっていたはずのフィナーレは動きを止めた。
フィーネが倒れた?
今まで、そんな事は一度も無かったはずだ…….
罠か?
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