イニーツィオとベスティア

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(やはり限界だったか。) ビアンカがボソッとそう言った。 フィナーレはビアンカの元に舞い降りて、聞いた。 「前にもこんな事があったのか?」 (そんな事より、フィナーレ様は敵ではないのか? こんなチャンスは二度と来ないだろう。) 冷静に答えるビアンカに対して、フィナーレは躊躇なく答えた。 「敵である前に、フィーネは俺の大切な妹だ! こんな状態で闘う訳がないだろ!」 (やはり、フィナーレ様は甘い。 説明しよう。 以前、1対1で海神と戦った時の事。 フィーネ様の使う魔法はどれも強力だが、それゆえ魔力の消費も大きい。 海神との戦いで、フィーネ様は魔力を使い果たし、今の状態に陥った。 その時は海神が見逃してくれたが、危ないところだった。) 「教えてくれ。 どうすれば治る?」 (それはとても簡単な事。 魔力を補給すればいい。) 「魔力の補給?」 (簡単に言えば、接吻だ。) 「……………………」 レンにはビアンカの声は聞こえない。 だが、硬直しているフィナーレを見て、何かとんでも無い事を言われたのは分かる。 「分かった。」 フィナーレが返事をすると、フィーネの横にしゃがみ込んだ。 そして……
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